〈NPO法人Educationin Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム〉による「発達の遅れ」連続セミナー[実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方]第22回[幼児期から取り組むこと 独り言・おうむ返し・多動を克服し、力をつけて就職するまでの記録](*)を5月8日(土)、埼玉県川口市の川口総合文化センター・リリアで開催しました(報告/知覧俊郎)。
*日本郵便年賀寄付金助成事業 後援:内閣府、文部科学省、厚生労働省、埼玉県、埼玉県教育委員会、川口市、川口市教育委員会、埼玉県社会福祉協議会、川口市社会福祉協議会、埼玉県医師会、埼玉県看護協会
【概要】
▶︎テーマ
[幼児期から取り組むこと 独り言・おうむ返し・多動を克服し、力をつけて就職するまでの記録]
▶お話(体験発表) 社会人19歳の母親(Uさん)
▶進行・解説と質疑応答 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)
▶日時・場所 5月8日(土) 9:45〜11:50 川口総合文化センター・リリア 催し広場(埼玉県川口市川口3-1-1)
▶参加者 45名(うち保護者27名、特別支援学級担任・教育相談員などの学校関係者5名、福祉関係者2名、保育関係者1名など 埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県、栃木県に在住の方々)
▶参加費(資料代等) 1,000円
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このセミナーで「発達障害/発達の遅れ」の実例を紹介し続けて強く思うことがあります。それは、家庭での接し方・教え方の大切さです。不思議なことにいまではあまり着目されなくなりましたが……。
現在、「発達障害/発達の遅れ」を前にすると、多くの保護者が医療や療育(児童発達支援)、特別支援教育などの施設や制度に頼りがちではないでしょうか。「専門家だからなんとかしてくれるのではないか」と。
もちろん、それは間違いではないでしょうが、限界があるような感じがします。言い換えれば、大切な子ども自身の力を伸ばすには、やはり、長い期間、傍にいて子育てに関わる親の力が大きいと言わざるをえません。他人ではけっしてできないことが親だからできる、そんな場面がたくさん存在するからです。
第22回の講師にお迎えしたUさん親子の成長記録が示すとおりです。家庭での接し方・教え方がその後の成長の起点になるという認識をこのセミナーでも共有したいと思います。
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諦めないで取り組み続けてきたこと
さて、Uさんの息子さんは、昨春、特別支援学校高等部を卒業後、障害者雇用で一般企業に就職しました。現在、工場に勤務する19歳の社会人です。生産工程の設備を準備したり取り外したりする仕事内容だそうです。
冒頭、Uさんは現在の息子さんの様子についてこう話しました。
「朝7時すぎに家を出て、電車で通勤しています。会社の方からは『いつも元気にあいさつしてくれますよ』とか『ちょっと手伝いを頼むと、はいと言って手伝ってくれるんですよ』『てきぱきと仕事をやってくれて助かっています』というようなことをお話ししていただいています」
最近の出来事として、会社での健康診断のエピソードが紹介されました。息子さんは血液検査の経験がなかったので、「経験のないことを想像しながらやるのはとても苦手だけれど……」とUさんは心配したそうです。しかし、息子さん自身がタブレットを持ってきて採血の動画を探してきてそれで予習していたとのこと。Uさんの不安は杞憂に終わりました。
そして、Uさんは自らの子育てについて次のように振り返りました。
「20歳になる彼の成長を振り返ってみると、小さい頃は本当に不安なことばかりで、大変なことがいっぱいありました。ですけれども、諦めないでひとつひとつ工夫をしながら取り組み続けてきたことでいまがあると思っています」
諦めないでひとつひとつ工夫をしながら取り組み続ける……。これが結局のところ、「発達の遅れ」を乗り越える最大のポイントだと感じます。
一番、気になっていた独り言
大変なことだらけだったという、幼児期についての様子は次の通りです。
1歳すぎた息子さんは名前を呼んでも振り向かない、後追いはしないという状態でした。その様子が気になったUさんですが、1歳半健診で「発達の遅れ」が指摘されました。勧められた親子教室へ通ううちに、2歳半の時には「自閉症」という診断を受けます。
当時、東海地方に在住していたUさんですが、ご主人の転勤で首都圏に転居したのを契機に改めて専門医の診察を受けたところ「広汎性発達障害および精神発達遅滞」の診断。そこから療育に通う日々が始まりました。
相変わらず、息子さんは独り言、おうむ返しを言い続けていました。Uさんは、当時の様子をこう話しました。
「買い物で外出すると、いつのまにか息子が行方不明になる。探すと、興味のあるところにいたりしました。濡れることが苦手で、ズボンに一滴落ちたとしても脱ぎ始める。だから、いつも着替えは持ち歩いていました」
公園でも友だちと一緒に遊ぶこともなかったそうです。
Uさんにとって一番、気になっていたのが独り言でした。Uさんのことを「お母さん」と呼ぶことはないのに、CMのフレーズや電車のアナウンスなどのフレーズは滑らかに喋っていたのです。療育に通っても、独り言はいっこうに変わりません。
「子どもの頃は多少、しゃべっていても誰も気にしないと思うんですけれども、大人になった時に独り言をずっとしゃべっていて、『電車に乗れるのかな』とか『この子は映画館に行って映画を観ることができるのかな』とか『普通の人が普通にやることができるのかな』ととても不安に思っていたんです。でも、療育の先生からは『しゃべれることは言葉が出ているということだから、このまま様子をみていてもいいんじゃないですか』というふうに言われていました」
その頃、療育に通うママ友からエルベメソッドを知ることになります。セカンドオピニオンを求めるような形で、ご主人、2歳下の妹さんも一緒に4人でエルベテークへ相談に出向きました。
なぜ、独り言をやめさせなければならないのか?
Uくんの独り言について、相談に乗ったエルベテーク代表の河野俊一さんは当時を振り返って次のように説明しました。「切れ目がないんです。ずっと言い続けている。でも、言葉の意味はまったくわからない」。そんな独り言です。
「独り言をやめさせるのがすべての始まりです。独り言を言っているときには他人の話も聞くこともないし、見ることもない。自分自身の世界に入っています。ここを改善していかないことにはなにひとつ教えていくこともできない。ここがすべての始まりです。そんなことを当時申し上げたのを今でも覚えています」と河野さんは解説しました。
いち早く独り言を克服することの重要性を認識し、親が家庭でも続けられる具体的な対処法をアドバイスするのがエルベメソッドの特徴のひとつと言えます。Uさんは初めて触れる指導法に望みを託します。決断した時の気持ちの変化が印象的です。
「ふだん療育の朝の会などではずっと座っていることができず、いつもふっと立って行くのに、(エルベテークで)話をしている間、先生の前にきちんと座っていました。それを見て、不思議ではあったんですけれども、なにかが違うと思ったんですね。そのあと先生に訊いたら、『独り言を放っておいて適切な言葉にはなりません』と教えていただきました。『このままでいいのかな』とずっと悩んできたことがすっきりして、ここで子どもと一緒に頑張ろうと思いました」
「独り言は言葉の練習」と大人が都合よくとらえて何もしないのではなく、「早く独り言をやめさせると可能性が広がる」という実践的な認識が指導の根底にあります。
家庭での粘り強い取り組み
アドバイスに従って、Uさんは家庭でも自ら行動に移しました。意識してUくんの独り言を改めさせる取り組みがスタートしたのです。
「独り言を言っているのを聞いたら、正面に座って『目を見て』と言って、目を見させるんですけれども、その時に『しゃべりません』と毎回、必ず伝えることをしました。最初はそう言われても(Uくんは)ぴんとこない感じだったんですけれども、先生に教えていただいて、『しゃべりませんという言葉が理解できていないので、その時に子どもの手を口に添えて閉じるということを教えていきましょう』ということで、そういうふうにやりました」
当時のUくんは「しゃべりません」「しずかに」「口を閉じる」という指示の言葉自体が理解できていなかったようです。
時には、大泣きをすることもありました。しかし、少しずつ、手を離しても「しゃべりません」という言葉だけで止まるようになりました。Uさんが報告するUくんの幼児期の変化(練習・学習による変化)は独り言への対応で悩む多くの保護者にとって参考になるのではないかと思います。
つまり、次のような流れです。(1)「しゃべりません」という言葉だけでいったん独り言が止まる→(2)独り言を言わない間隔が少しずつ長くなっていく→(3)独り言を話していると思ったら、遠く離れていても、UさんがUくんの名前を呼んだだけで本人が「はっ」と気づき、止まるようになる(周りからの指摘で本人が気づく)→(4)独り言を口にしている時に自分で気づくようになる。
「少しずつ変わっていきました。おもしろかったのは、気づいた時に本人が自分できゅっと口を結ぶようになりました」とUさんは話します。教え続け、独り言が気にならなくなるまでには1年かかったとのことです。
親の努力と子どもの変化
言葉の理解が進むにつれ、相手の目を見て指示に従う姿勢が整い始めると、大きく変わりました。静かに待つこともできるようになり、Uさんの指示が耳に入ってくるようになったからです。教わる姿勢を育むことの大切さを痛感します。
具体的にUさんは家庭生活においてどのようなやり方で独り言をやめるように促したのでしょうか? エルベテークから「子どもが目の前にいる時だけ、たとえば食事の時間に5分間だけでも独り言は言わないように注意しましょう」という、具体的なアドバイスなどが支えになりました。
Uさんはこんなエピソードを話してくれました。
「『頑張らなきゃ』と思って、主人がいてもいつも『しゃべりません』とずっとやっていました。祖母からするとかわいそうに思えたんだと思うんですけれども、『そこまでしなくてもいいんじゃない』と言われました。そのうち、子どもが変わってくる様子を見て、みんながそれを理解してくれて、主人も気がつくと一緒に『しゃべりません』と声をかけてくれるようになりました」
親でなければできないことをUさんがめげずに努力したからこそ、それがUくんや家族に伝わったのだと思います。手応えを家族みんなで共有できたのです。「独り言を1年で改善したのは両親の努力の賜物です」と河野さんは説明しました。
河野さんによると、教室への送り迎えをするご主人の姿もよく見るようになったとか。それまでわが子に対してどのように接していいかわからなかったご主人が「出かけることができるようになって、夢みたいです。私も応援していきます」と語っていたとのこと。
それにしても、対談の中で語られた、河野さんの次の指摘はもっともっと社会的に共有されるべきだと思います。
「私どもの経験から言っても、言葉が出ていないお子さんに言葉を話せるように指導する時間よりも、独り言をやめさせるのにかかる時間のほうが長いのです」
独り言を「言葉の練習」ととらえて放置する専門家の無知を感じざるを得ません。
独り言が改善されてからのUくんの精神的な進歩は明らかです。Uさんは、日常生活の変化についてこう話しました。
「独り言がやめられるようになってきて私の話を聞けるようになってきたので、次はひとつ目標を決めてと思い、たとえば上着をたたむとかを二人で一緒にやり始めました」
親と子どもの間で言葉や気持ちのやり取りを通して、手本に沿って一連の手順を理解し、受け入れ、そのうえで自ら行動するという体験です。エルベメソッドに基づき幼児期から積み重ねてきた、文字の練習などと同じ狙いが込められています。
入学前の準備と入学後の取り組み
入学前の準備としてUさんは家庭でもひらがな、カタカナの練習に取り組むと、簡単な漢字やたしざん、ひき算が解けるようになるなど、成果が現れました。
その際のポイントは、勝手気ままに学習しようとするわが子を導いていったことです。
「丁寧に書く。カタカナの『ア』と『マ』のように形が似ているものもきちんと一つ一つ書けるようになるまでやり直しをさせました」
正しい手本を見て、筆順や形、大きさ、とめ、はね、はらいなどをまねる。そこから、ルール・約束事があることを知り、一連の手順を覚えていく。だからこそ、間違った文字はひらがなひとつといえども、時間をかけてやり直し、書き直しをさせる……。まさに、エルベメソメソッドのエッセンスだと思います。
こうした学習を積み重ねることによって子どもは「受け入れる姿勢」を養い、自分の言動をコントロールできるのだと痛感します。
設定した学習時間には、Uさんは必ず息子さんと向かい合って、「始めます」と言って、学習中は文字を書く際の姿勢が崩れないよう注意を払いました。終わったら、「できました」と報告させます。「そうすると、きれいな字が書けるようになるんですね」とUさん。きれいな文字は現在のUくんにとって誇るべき特徴のひとつです。
このように、少しずつ力をつけていったUくんでしたが、現実はまだまだ力不足。入学先の選択で悩みましたが、Uさんとご主人は普通学級への入学を選びました。「特別支援学級や特別支援学校では友だちの中に入って自分から学ぶということはなくなってしまうのではないか。普通学級で社会性を育てたい」と考えた結果です。
秋の就学前相談からしばらく様子を見てもらうことにし、1月の段階で大きく成長したので、教育委員会も理解を示してくれました。
入学前には、教育委員会のアドバイスに従って学校を訪問し、「配慮していただきたいこと」を学校側に手渡しました。学校側も快く受け入れてくれました。
入学後、Uさんは2学期途中まで、登校から下校まで息子さんに付き添うことに。1年生の2学期には、友だちの家へ遊びにいったUくんが行方不明になり、結局、一人で横浜まで出かけていたという出来事も発生しました。
「いま思えば笑い話なんですけれども、その時は生きた心地がしませんでした。ただ、ひとつ収穫があったのは、彼はそのあとそういうことはいっさいしなかったんです。本人もたぶん怖かったんだと思うんですけれども、彼がひとつ学んだんだなというふうに思うようにしました。大泣きしたりパニックになることもなかったですから」
その後は大きなトラブルもなく、小学校生活を過ごしました。3年生から6年生までPTAの役員になるなど、Uさんとご主人の積極的な関わり方も大きかったと思われます。
「しょっちゅう学校へ行くことがあって、子どもの様子もちらちら見れる。いつも通っているので、先生方も『今日、こんなことがありましたよ』とか『おもしろかったよ』といっぱい声をかけてくださるようになって、先生方とすごく良い関係を築いていけるようになっていました」
学校側からの評価も良好でした。
特別支援学級を経て特別支援学校へ
ところで、Uくんはその後、特別支援学級、特別支援学校へ通います。Uさんのご主人の転勤に伴って再び東海地方へ。未知の土地ということもあり、中学校は普通学級ではなく特別支援学級へ進学。エルベテークで月1回の学習を受け、重要なポイントについては宿題に出してもらい、家庭で頑張る生活スタイルになりました。
また、高校進学にあたっては人気の高等特別支援学校を見学したものの、そこにはコミュニケーション能力が高い生徒がたくさん通っている現実を知り、結局、地元の特別支援学校の高等部に行き、Uくんの力を伸ばしていきたいと結論を出しました。
この特別支援学校でUくんは慣れるまで時間がかかったものの、2年生になる頃から力を伸ばすとともに、周りからその力を正当に評価されることになります。
学校側から勧められた漢字検定ではすぐに8級を満点合格し、3年間で最終的に4級まで合格。部活(フライングディスク部)も頑張りました。3年間、1日も休まずに通学したそうです。
3年生で本格的に始まった企業実習での評価も上々でした。それまでほとんどなかった一般企業での実習において企業側の評価ポイントとエルベメソッドの指導のポイントとまったく同じだったからです。つまり、(1)挨拶や返事がきちんとできるか、(2)任された仕事を最後まで頑張れるか、(3)間違えたり失敗したりしてもやり直せるか、など。「頑張ってきてよかったなと思いました」とUさんは話しました。
結局、夏休みという早い段階でUくんは内定をもらいました。Uくんは、就職に当たって特別な指導や訓練を受けたわけではありません。幼児期の4歳から高校3年生になるまで積み重ねてきた学習によって「してはいけないこと」と「しなければならないこと」をよく理解し、挨拶や返事、報告といった社会性を身につけ、また真面目で穏やかな性格を獲得していたからこそ、良い結果を出すことができたのです。
物事を注意深く見続けたり、相手の動作を模倣したり、あるいは相手の指示を受け入れる力が不足している「発達障害/発達の遅れ」の子どもたち。そのほとんどは、入学後、学習面で躓き、授業についていけません。その事実は明らかなのですから、大人は入学前の幼児期から少しずつ学習の基本を身につけさせるように促すべきだと言えます。
その際のポイントが家庭学習です。読み書きをはじめとして、あいさつや返事の仕方、自分の言動をコントロールする術を教えることが鍵を握ると思います。保護者だけで取り組むには壁が高いでしょうが、Uさんのように、周りのアドバイスを支えに子育てのモチベーションを高めていったケースは多くの保護者に参考となるにちがいありません。
最後にUさんは自らの子育てを踏まえ、若い世代の保護者へ向けてエールを送りました。
「子育てで感じたことは、いま振り返ってみると、成長の時期によって取り組むことは違っていても、姿勢というのはずっと変わらないんだなということです。そして、小さい頃からいろんなことがうまくいっていないことをちゃんと受け止めて、『このままではいけないんじゃないか』と思って、それを一つ一つ取り組んでいってほしいなと思います」
幼児期の生活と社会人の生活は密接に関連しているということではないでしょうか。
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【参考 アンケート】(全部で31通。その一部を原文のまま紹介します)
●保護者の体験発表についての感想-1「特にどの部分に共感されましたか?」の回答
・就学前の保護者の声
「『絶対にやる!!!と自分で決めていた』という言葉に感動しました。お母様がしっかりとそれを実行されて、お子さんにも変化が見えたことで、周りのご主人も理解してくれておうむ返しを1年でやめさせることができたのは、ブレないお母様の行動があってこそできたのだなと思いました」(3歳の保護者)
「Uさんの、親が我が子に足りない所を徹底的に見つめ、行動した点が素晴らしいと思います」(5歳の保護者)
・小学生の保護者の声
「家庭での取組み方を具体的に知れてよかったです」(小1の保護者)
「独り言をやめさせるために、1年間かけて向き合ったこと 正面から見て『喋りません』と言い続けたこと」(小2の保護者)
「学習面……家庭学習の徹底と小学校とのコミュニケーションがとても参考になりました 生活面……あいさつ、マナーの教えを徹底された事はとても参考になりました」(小4の保護者)
「独り言(不規則発言?)がうちも多く、今でもあります。今のうちからやめるよう取組みたいです」(小5の保護者)
「学習を通した日々の努力と積み重ねが大事だということ」(小6の保護者)
・中学生の保護者の声
「親が子供を冷静に見て、課題をみつけたら改善に向けて取り組み続ける」(中1の保護者)
・高校生の保護者の声
「就労に向けて重要な四項目。挨拶、返事、最後までやり抜く、やり直せる、字がきれい、取り組む姿勢など」(高3の保護者)
・教育関係者の声
「何ができる、どこまでできると見極めていくこと 辛抱強くつき合っていくことなど、多くのことが共感できました」
「親はこれから生きて行く子どもに寄り添ってほしい。仕事が忙しく大変なのは分かるが、自立していく子どもにしていかないとあとが大変」
●保護者の体験発表についての感想-2「『子育て(指導)のために役立ててみよう』と思ったことはなんですか?」の回答
・就学前の保護者の声
「1つ1つていねいに、目を見て伝え続けること。まさに今、息子に教えているので、あきらめずに頑張ります!」(3歳の保護者)
・小学生の保護者の声
「食事中時間を決めて指導するという点を家でも実践したいです」(小1の保護者)
「親が子どもをみて課題と思ったらあきらめずに少しずつ取りくむこと」(小3の保護者)
「学校との連絡を密にして、積極的に関わること」(小4の保護者)
「目指す姿を忘れない為、手帳に書いておこうと思った」(小4の保護者)
「正面に座って子供と目を合わせる時間を毎日作っていきたいです」(小5の保護者)
・中学生の保護者の声
「独り言をやめさせたいと思います。正面を見て目を見て『しゃべりません』を実践したいと思いました。私も必ずやめさせます」
・高校生の保護者の声
「親がきちんと見本をみせて子供に共感させて行動させてみたい。子供さんが息子とタイプがとても似ていてすごく参考になりました」(高3の保護者)
・教育関係者の声
「目をしっかりと見て向き合う姿勢。ながら指導ではなく、子どもとしっかり向き合うこと」
・療育関係者の声
「・将来の姿、現在の姿、親・子どもの思いをきちんととらえていくことの大切さ ・あきらめない、続けていくこと、関係者との連携の大切さ ・日常生活でのあいさつ、つづけることの大切さ」
・保育関係者の声
「保育士養成に携わっており、社会に出ていくにあたって大切なこと、『挨拶する、返事をする、素直に受け入れる、改善に取り組んでみる』等は保育者の卵達にも大切なことだと感じ、伝えていこうと思います」
●保護者の体験発表についての感想-3「その他、今回の体験発表/セミナー開催で感じたことをお書きください」の回答
・就学前の保護者の声
「初めてこういったセミナーに参加しました。実際に経験された方のお話をこうして直接聞くことができて希望が更に持てるようになりました。感謝しています」(3歳の保護者)
「就労した方の経験を聞けて参考になりました」(4歳の保護者)
・小学生の保護者の声
「多くの人が治らないと言ってくることが、親にとっては最も改善したい部分でもあると思います。そこを、改善してゆこうとおっしゃる方に出会い、本当に改善してゆく過程のお話を伺えたことは自分にとっても希望につながりました」(小1の保護者)
「常にお子様に寄りそい、一緒に頑張ってきた結果が、今につながっているのだと感じました」(小5の保護者)
「同じ悩みを持つ方が多いと感じられて、他の方々も子育てに奮闘されている、と感じました」(小6の保護者)
・教育関係者の声
「保護者の方がこれほどまでに悩み、動いていることを実感しました。ハンディがあつてもなくても根本的に大切なことは同じだと改めて感じました」
「職場で話題にし、取り組んでいきたい」
・保育関係者の声
「どこから取り組むか、困っている場合に焦点を当てるべき部分のヒントが得られました」
●河野俊一さんの進行・解説についての感想
「幅広いお子さんのケースを例としてあげてくださるので、分かりやすかったです」(5歳の保護者)
「2人の方の意見が聞けてわかりやすかったです」(小1の保護者)
「対談形式で分かりやすかったです」(小2の保護者)
「お話を上手に引き出す、わかりやすい進行だった」(小4の保護者)
「解説、捕捉、次への展開への進行が適切で、一層理解し易くなった」(中1の保護者)
「具体的な経過がよく分かりました」(教育関係者)
「温かい雰囲気で、子どもたちへの愛を感じる方でした」(教育関係者)
「素晴らしく、聞き易かったと感じます。資料形式もよかったと思い、今後参考に致します」(保育関係者)
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この日の参加者は、3歳から高校3年生までのお子さまをもつ保護者の方などでした。学校関係者、福祉・保育関係者の方の参加もありました。
今回も、埼玉県内にまん延防止等重点措置が発令されるなど、開催にあたって厳しい状況がありました。私どもは、感染防止対策として、会場側の協力を得て座席の前後左右を空けるなど座席間の距離を確保し、室内の換気も実施し、開催いたしました。参加者の方々には手指の消毒、検温、マスク着用などをお願いしました。ご協力、ありがとうございました。
セミナー開催に際して、告知用のチラシを小・中学校へ配布しました。埼玉県内はさいたま市や川口市、蕨市の教育委員会の協力を得たほか、東京都は台東区、杉並区、目黒区、品川区、東久留米市の各教育委員会、千葉県は船橋市教育委員会の協力を仰ぎました。
また、今回から、後援名義に内閣府、埼玉県医師会、埼玉県看護協会が加わりました。
なお、これまでこのセミナーで報告された成長記録のうち7つの実例をまとめて、4月末に『親が語る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方』という本を当NPO法人から発行しましたが、セミナー当日は参考資料のひとつとして配布しました。
(報告/2021年6月5日 知覧)
(撮影 堀)
■次回(第23回)
[テーマ]
「小さな進歩をとらえる親の力が、
前向きな気持ちの源」(仮題)
[プログラム]
お話(体験発表) Kさん(特別支援学校高等部1年生の女の子の母親)
進行と解説 河野俊一さん(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事)
[日時] 2021年9月25日(土) 9:45〜11:45(受付開始9:30〜)
[会場] 川口総合文化センター・リリア 催し広場(川口市川口3-1-1 JR川口駅西口よりすぐ)
[定員] 70名(保護者、教育・療育関係者、医療・福祉関係者、市民)
[参加費](資料代等) 1,000円
*コロナ禍の状況次第で、日時・定員等の変更の可能性があります。
*現状では、以下の感染防止対策を予定しております。
●感染拡大防止対策として、会場の定員(150名)の約半分の定員としています。
●セミナー当日はNPO法人として会場入り口で消毒液を準備し、検温・除菌・換気など、十分に気をつけて臨みたいと思いますが、参加の際は感染防止対策(マスクの着用など)をよろしくお願いいたします。
●発熱、咳、鼻水など風邪の症状がある場合は参加を控えていただくようにお願いいたします。