2019年6月22日(土)、連続セミナー[実例から知る、「発達の遅れ」が気になる子どもの教え方]第16回(共催/(株)増進堂・受験研究社 後援/文部科学省、厚生労働省、大阪府、大阪市、大阪市教育委員会、埼玉県教育委員会)を開催しました。
第16回は、4歳で「広汎性発達障害」と診断された息子さん(今春から高校1年生)をもつ、医師でもあるお母さま(Sさん)による体験発表でした。
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次のような成長記録が発表されました。
Sさんの息子さんは、4歳で「広汎性発達障害」と診断されました。Sさんご夫婦は、言葉の遅れや執着行動などのため困り果てていましたが、次第にエスカレートしてきたため、「このままでは大変だ」と強く思うようになりました。
専門の教育機関に出会った年中の11月から子どもへの接し方を変えるとともに、家庭教育に力を入れ始めました。小学校の授業についていけないことは明らかだったため、就学猶予を受けて、言葉の力を伸ばし、ひらがなや読み書きなどを身につけました。
発音や読み書きの練習に繰り返し取り組むに連れ、息子さんは課題を少しずつ改められるようになりました。そして、「小学校はなるべく一般の子どもと同じ環境を」という両親の考えに基づき、小学校普通学級に入学。
中学校は付き添いが認められないため、特別支援学級で学び、両親は学校側とコミュニケーションをとるように努めました。その結果、当初は理解・協力を得られなかった学校側の対応が次第に改善され、先生たちとの間によりいっそう信頼関係が生まれてきました。
「通常学級用の教科書を使わせてください」という両親の願いを理解した教科の先生たちが、「学校でやっているのをそのままプリントにつけますので、お家でやってみてください」と協力してくれるようにもなりました。
現在、息子さんは、式の計算・方程式・英語、漢字の読み書き、聞き取りの読解などの学習を続け、漢検にも挑戦中です。コミュニケーションの課題を抱えるものの、今春から単位制の高校で学びます。
息子さんの成長を通して教育・学習の果たす役割を確信するに至った経緯に触れながら、子育ての見通しをもてるようになるまでの具体的な子どもへの接し方・教え方に対する考え方についてSさんが語りました。
質疑応答の時間には、ご主人が加わり、父親の立場から教育・学習の意義を語りました。
【テーマ】
[発達障害への適切な対応を考える 母親(医師)からの報告と提言]
【プログラム】
体験発表(高校1年生の母親)
進行・解説・質疑応答(エルベテーク代表/医療法人エルベ理事・河野俊一さん)
感想と問題提起(甲子園短期大学幼児教育保育学科/前大阪府立港高等学校校長・吉田景一さん)
あいさつ((株)増進堂・受験研究社)
【開催日時】
2019年6月22日(土)18:30〜20:30
【会場】
ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター7階ホール 大阪市中央区大手前1-3-49 06-6910-8500
【参加者】
318名(うち、大人287名、大学生6名)
【参加費(資料代等)】
1000円(大人) 500円(大学生) 無料(子ども)
*より詳細な内容は近日中にホームページ上(「報告■REPORT」欄)で報告します